【エンジニア書評】『シン・ニホン』で考える日本のエンジニアがやるべきこと

【エンジニア書評】『シン・ニホン』で考える日本のエンジニアがやるべきこと

こんにちは!
フリーランスエンジニアのかたやまです。

今回は、書籍『シン・ニホン』について解説します。この本は、累計15万部突破しているベストセラー本です。Amazonのレビューでも1000を超えるレビューがされており、非常に高い評価になっています。

最近では以下の賞を受賞しており、2020年2月の発売以降、注目され続けています。

◎ 読者が選ぶビジネス書グランプリ2021 総合グランプリ受賞
◎ ビジネス書大賞2020 特別賞(ソーシャルデザイン部門)受賞
◎ ITエンジニア本大賞2021 ビジネス書部門 ベスト10

この本の内容は、日本の「現状とこれから」についてです。日本の悲劇的な現状の解説と、今後の国の戦略について書かれています。実際に読んでみて、国を良くするためにエンジニアとしてやるべきことが見えたような気がしました。

今回は、この本をおススメする3つの理由と、特に役立つテーマ、私が感じた日本のエンジニアがやるべきことを解説したいと思います。

『シン・ニホン』をおススメする3つの理由

1.著者の安宅和人さんが凄すぎる!

1つ目の理由は、「著者の安宅和人さんが凄すぎる」です。

安宅和人さんは、とにかく凄い経歴の持ち主です。まず、現在の肩書きを見てみましょう!

  • ヤフー株式会社 CSO(最高戦略責任者)
  • 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
  • データサイエンティスト協会理事/スキル定義委員長

3つ並んでいますが、なんと3つ兼任されています!どれか1つでも凄いのに、3つ兼任というのは、恐ろしく凄い方です…

経歴もすごいです。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し4年間勤務。その後、イェール大学脳神経科学プログラムにて学位取得し、マッキンゼー・アンド・カンパニーに復帰。その後、ヤフーに移動し、徐々に現在の肩書きになったそうです。

現在は、内閣府の戦略部門にも携わっており、「データ分析や戦略」では日本トップの天才と言っても過言ではないと思います。そして、そんな安宅和人さんが日本の現状をデータ分析し、今後の日本の戦略をたて、1冊の本にまとめてくれました。説得力が半端ありません。

ちなみに、誰もが知っているベストセラー本『イシューからはじめよ』も安宅和人さんが書かれています。

2.日本の残酷な現実を知ることができる

2つ目の理由は、「日本の残酷な現実を知ることができる」です。

日本の残酷な現実とは、「GDPの停滞」と「世界の先端技術への乗り遅れ」の2点から言えます。

  • 各国がGDPを伸びしている中、日本のGDPは15年以上停滞している
  • データ×AIの時代に全く付いていくことができていない

などの事実をもとに、日本の残酷な現状を理解することができます。

3.今後の日本の戦略を知ることができる

3つ目の理由は、「今後の日本の戦略を知ることができる」です。

本書は残酷な日本を知らせるだけでなく、今後の戦略についても語ってくれています。日本の戦略を一言で説明すると、「日本の強みを生かして、産業革命の時代の勝利をもう一度手にする」です。この戦略を知るだけで、今の現状に悲観せず、希望をもって未来を見つめることができるようになります。

非常におもしろい内容なので、つぎの「特に役立つテーマ」で詳しく解説します。

特に役立つテーマ

『シン・ニホン』で特に役に立つと感じたテーマを紹介します。

特に役に立つと感じたのは、第3章「求められる人材とスキル」の解説です。理由は、今後の日本の戦略について、我々がどうすべきか詳しく語られている章だからです。

1.日本の戦略とは?

まず、日本の戦略を見てみましょう!

日本の戦略は、「新技術を”つくる”のではなく、新技術を”使って”勝つ」です。実は日本は、新技術をつくることで世界をリードしたことはありません。それは産業革命以降、世界No.1のGDPになった日本の歴史を見れば明らかです。

産業革命以降、日本が世界で勝てたのは、イギリスで生まれた蒸気機関車の仕組みなどの新技術を輸入し、自動車などにうまく活用したことにあると言われています。新技術をうまく利用したことが勝因です。

そして、今まさにインターネット時代の新技術が生まれました。AI、ビッグデータなどです。産業革命以降の日本のように、この技術をうまく使うことこそが、日本がもう一度勝利する戦略です。

2.日本人の強みを活かす方法

インターネット時代に日本が勝利する具体的な方法は、日本の強みを活かすことです。

日本の強みとは、新技術をうまく活用する「妄想力」と「モノづくり精神」の2点です。日本人は、幼いころからアニメが身近にあったため、非現実的なことに触れ、妄想する力がつきました。また、産業革命以降に培ったモノづくり精神を活かして、世界をリードするモノづくり大国になりました。

妄想力を使って、日本のモノづくりとAIやビッグデータを組み合わせることが、日本人の強みを活かす戦略です。

日本のエンジニアがやるべきこと

日本の勝ち方が分かったところで、日本のエンジニアがやるべきことを考えていきたいと思います。私が思うエンジニアがやるべきことが2つあります。

1.使い方を能動的に学ぶ

1つ目は「使い方を能動的に学ぶ」です。

まず、新しい技術を開発することはきっぱりと諦めましょう。そして、日本人の得意な使いこなすことにフォーカスします。日本人は、iPhoneという新テクノロジーを使い倒し、世界で一番iPhoneを使いこなす国民と言われています。同じようにGAFAなどの世界的企業が提供しているAIの新技術を学び、使うことが重要だと考えます。

例えば、以下のことを学ぶと良いでしょう。

  • GoogleのAI技術「TensorFlow」を学ぶ
  • AmazonのAI技術「AWS AI」を学ぶ
  • MicrosoftのAI技術「Cognitive Toolkit」を学ぶ
  • FacebookのAI技術「PyTorch」を学ぶ
  • AIエンジニアになるためにプログラミング言語「Python」を学ぶ
  • GoogleのAI教育コンテンツ「Learn with Google AI」を受講
  • GoogleのAIエンジニア認定資格を取得する
  • 日本ディープラーニング協会のG検定(ディープラーニングの資格)を取得する

2.使い方を妄想する

2つ目は「使い方を妄想する」です。

新しい技術を学んだあとは、妄想あるのみです。新技術を使いこなして、日本のモノづくりと掛け合わせましょう。

  • 機械 × AI
  • 通信 × AI
  • 交通 × AI
  • 教育 × AI
  • 医療 × AI
  • 福祉 × AI
  • エンタメ × AI

さまざまな組み合わせを妄想してみましょう!そして、思いついたときに、新技術の使い方を学んだエンジニアがいれば、世界をリードするモノをカタチにすることができます。

まとめ

今回の『シン・ニホン』の解説は以上です。内容が気になった方はリンクを載せておきますので、ポチッと確認してみてください。

では、また次回!

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