【エンジニア書評】『世界一やさしい問題解決の授業』はプログラミング思考が全て学べる

【エンジニア書評】『世界一やさしい問題解決の授業』はプログラミング思考が全て学べる

こんにちは!
フリーランスエンジニアのかたやまです。

今回は、書籍『世界一やさしい問題解決の授業』について解説します。この本は、2007年6月に発売されて47万部を達成したベストセラー本です。

問題解決やロジカルシンキングの基礎の基礎を扱っていて、シンプルな内容で、誰でも理解することができます。問題解決やロジカルシンキングは、本ブログのテーマであるプログラミングにおいても重要なスキルです。

プログラミング思考を優しく学びたいなら、プログラミング関連の入門本よりも、『世界一やさしい問題解決の授業』をオススメします。

今回は、この本をおススメする3つの理由と、特に役立つと感じたテーマを解説したいと思います。

『世界一やさしい問題解決の授業』をおススメする3つの理由

1.イラスト中心で読みやすい

1つ目の理由は、「イラスト中心で読みやすい」です。本書はイラストが多く使われているため、かなり読みやすいです。

また170ページで構成されているため、一般的なビジネス本よりも薄いです。一般的な問題解決などの本は文字が多く、読むだけで大変ですが、この本は短い時間で分かりやすく本質を学ぶことができます。

分かりやすいだけでなく内容も充実しており、問題解決やロジカルシンキングをしっかり学ぶことができます。

2.すぐに使える知識を学べる

2つ目の理由は、「すぐに使える知識を学べる」です。具体的には、すぐに使える2つの知識を学ぶことができます。

  • 問題解決の手順
  • 問題解決に役立つ5つのツール

「問題解決の手順」では、問題解決の方法が手順化されているため、すぐに実践することができます。手順が明確なため、「直観に頼って失敗する」ということが無くなります。

「問題解決に役立つ5つのツール」では、具体的に以下のツールが紹介されています。

1.分解の木
2.はい、いいえの木
3.課題分析シート
4.仮説の木
5.意思決定ツール

この5つは、何かを考えたり、解決したり、意思決定したりするときに役立つ、すぐに使えるツールです。

3.プログラミング思考が学べる

3つ目の理由は、「プログラミング思考が学べる」です。

まずプログラミング思考の定義は、文部科学省が以下のように定義しています。

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)

要するに、「問題を解決するために論理的に考えること」です。この問題解決能力と論理的思考は、まさに本書のテーマです。

本書の中で、著者は「子供のうちから学ぶべき」と述べています。発売から13年後の2020年から、小学校でプログラミングが必修化されました。すべての人がプログラミングを学ぶべき時代にピッタリの本だと言えます。

※関連記事
すべての人にプログラミング学習が必要な理由を知る

特に役立つテーマ

『世界一やさしい問題解決の授業』で特に役に立つと感じたテーマを紹介します。

この本は1限目・2限目・3限目という3部構成になっています。特に役立つと感じたのは2限目です。

  • 1限目:問題解決能力を見極めよう
  • 2限目:問題の原因を見極め、打ち手を考える ★役立つ★
  • 3限目:目標を設定し、達成する方法を決める

第2限目では、「ライブにお客さんがこない」という問題に対して、原因を突き止めようとしています。そこで登場するのが2つのツールです。

「分解の木」と「はい、いいえの木」

1つ目は、「分解の木」です。分解の木とは、問題をツリー状に分解して、原因や解決策を論理的に探す方法です。ビジネス用語では「ロジックツリー」や「ミーシー」と呼ばれています。

本書では、ライブに来なかったお客さんを「分解の木」でグループ分けすることで、「ライブの存在を知らないお客さん」、「ライブの存在を知っているけど行かなかったお客さん」といったように分類分けをして、原因を突き止めようとしました。

2つ目は、「はい、いいえの木」です。はい、いいえの木とは、原因を調べるときや打ち手を考えるときに、条件Aは「はい」、条件Bは「いいえ」といったように、条件を確認していく方法です。

本書では、ライブに来なかったお客さんにインタビューをして「はい、いいえの木」を元に質問することで、「ライブの存在を知らないお客さん」のグループの比率が一番大きいことを突き止めます。その後のライブの結末は、本書よりご覧ください。

役立つと思った理由

私がこの2ツールが役立つと思った理由は、プログラミングで実際に役に立っているからです。

  • プログラミングで、分岐の条件を決めるために、「分解の木」ですべての条件を洗い出す
  • バグの原因を調査するときに、バグが発生する条件を「はい、いいえの木」で突き止める

と言ったように、日々、この2つのツールを使っています。

問題解決を行うすべての人が、読むべき本だと感じました。

まとめ

今回の『世界一やさしい問題解決の授業』の解説は以上です。内容が気になった方はリンクを載せておきますので、ポチッと確認してみてください。

では、また次回!

プログラミングの教養カテゴリの最新記事