【エンジニア書評】『科学的な適職』でITエンジニアを分析してみよう

【エンジニア書評】『科学的な適職』でITエンジニアを分析してみよう

こんにちは!
フリーランスエンジニアのかたやまです。

今回は、書籍『科学的な適職』について解説します。この本は、累計9万部突破しているベストセラー本です。読者が選ぶビジネス書グランプリ2021では、自己啓発部門の部門賞を受賞しています。

仕事は、人生で多くの時間を費やす活動の1つです。仕事選びは重要であると分かっていながらも、失敗する人が多くいることも事実です。その原因は、私たちが仕事選びの正しい方法を知らないことにあると言われています。

本書では、科学的に証明された情報を元に、正しい仕事選びについて学ぶことができます。正しい仕事選びができれば、「適職」に就くことができます。適職とは、「幸福が最大化される仕事」です。やりがいや充実感を感じることができる仕事と言い換えても良いでしょう。

この本を読んでみて、自分の仕事選びについてモヤモヤしていたことが、スッキリしました。

今回は、この本をおススメする3つの理由と、特に役立つテーマ、ITエンジニアの適職分析を解説したいと思います。

『科学的な適職』をおススメする3つの理由

1.科学的であること

1つ目の理由は、「科学的であること」です。

著者の鈴木祐さんは、日本を代表するサイエンスライターです。プロフィールを見てみましょう!

16歳の頃から1年間に5000本もの科学論文を読んでいることから「日本一の文献オタク」を自称している。
現在では10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを行ったことを明らかにしている。ブログでは、健康・心理・科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成している。

Wikipedia

プロフィールを読むだけでも、鈴木祐さんがいかに科学に精通した方であるかが分かると思います。本書でも、すべての意見に科学的な裏付けがあり、納得しながら読み進めることができます。

鈴木祐さんの本はどれも面白く、「最高の体調」、「ヤバい集中力」、「不老長寿メソッド」などもすべて読ませていただきました。どれもおススメなので、チェックしてみてください!

2.避けるべき罠がわかる

2つ目の理由は、「避けるべき罠がわかる」です。

本書は、最初に仕事選びで陥りがちな思い込みを解説し、一般的に言われる仕事選びの基準がいかに間違っているかを解説しています。

間違った仕事選びの方法として解説されているのは、以下の7つです。

  1. 好きを仕事にする
  2. 給料の多さで選ぶ
  3. 業界や職種で選ぶ
  4. 仕事の楽さで選ぶ
  5. 性格テストで選ぶ
  6. 直感で選ぶ
  7. 適性に合った仕事を求める

最初に読んだときは「こんなの嘘だ!みんなそうやってる!」と思うぐらい意外なラインナップでした。特に「給料の多さで選ぶ」や「業界や業種で選ぶ」は驚きました。むしろ他の選び方が思いつかないぐらいです。

ただし、根拠はすべて納得できるものでした。幸福が最大化される仕事という基準では、7つ全てが役に立たないと知ることができました。

3.就職、転職の軸がわかる

3つ目の理由は、「就職、転職の軸がわかる」です。

本書は、仕事選びの明確な基準を7つ紹介しています。具体的には以下の7つです。

  1. 自由 … 決定権・裁量権があること
  2. 達成 … 前に進んでいる感覚を得られること
  3. 焦点 … 自分のモチベーションタイプに合っていること
  4. 明確 … 会社の目標、やるべきこと、評価軸が明確であること
  5. 多様 … 作業の内容にバリエーションがあること
  6. 仲間 … 助けてくれる仲間、友人がいること
  7. 貢献 … 世の中の役に立っている感覚が得られること

この7つを満たす働き方であるほど、幸福に働くことができます。この7つは、業界や業種に関係なく、会社によって大きく異なると思います。だからこそ、企業研究は時間をかけてやるべきだなあと心から思いました。

7つ全てを解説するわけにはいかないので、詳しい解説はぜひ書籍をご覧になってみてください。

特に役立つテーマ

『科学的な適職』で特に役に立つと感じたテーマを紹介します。

特に役に立つと感じたのは、第3章で紹介されている「幸福な仕事を探すための3つの意思決定ツール」の解説です。役に立つと感じた理由は、超実践的なツールであるからです。

一般的な書籍では、「0秒で動け」などのような抽象的なアドバイスで終わることが多いですが、本書はとにかく具体的なやり方を示してくれています。

本書で紹介されているツールの1つに、「マトリックス分析」があります。このツールは米軍の意志決定にも使われているほど、意志決定に役立つツールです。実際にマトリックス分析を見てみましょう!

マトリックス分析は、3つの手順で行います。

  1. 基準の重要度を決める → 自分によってどれぐらい重要か考えて1~3点で採点する
  2. 会社の7つの基準で企業調査する → 調査対象の会社を1~5点で採点する
  3. 重要度 × 企業調査の点数を掛け算して、7つの基準を合計する

このように採点することで、自分に合っている会社が数字で明確に分かります。上の画像では、合計点が1番高い「会社A」が自分にあった職場であることが分かります。意思決定を助けてくれるこのツールは知っておくべきだと感じました。

7つの基準をエンジニアで考えてみる

最後に、7つの基準をエンジニアで考えてみます。今回は、サラリーマン時代とフリーランス時代に分けて採点してみました。
※あくまで私個人の採点なので、参考程度に見てください。

採点のポイントを説明します。

  • 「自由」は、フリーランスの方が高い。リモートワークが可能であれば、サラリーマンでも一気に自由度が高くなる。
  • 「達成」と「焦点」、「明確」はサラリーマンもフリーランスも同じ。エンジニアはモノづくりのため、達成基準などが明確で成果が分かりやすいため、高得点。
  • 「多様」は、サラリーマンの方が多い。サラリーマンは管理作業などがあり、その分だけ多様になる。開発を中心に行いたい場合は、多様性の少ないフリーランスの方がおススメ。
  • 「仲間」は、サラリーマンの方が多い。フリーランスは孤独。仕事の範囲外に友達がいれば、問題ないと感じている。
  • 「貢献」は、ともに低い。エンジニアはエンドユーザーの顔が見えないことがほとんどなので、貢献度は高くない。

これが私が感じたエンジニアの採点結果です。

エンジニアが適職である人を一言で表すと、「やることや成果の明確さを求め、貢献度は重視しない人」と言えます。

採点結果や重要度は、人によって異なると思います。就職や転職を考えている方は、マトリックス分析を行って、適職探しを行ってみてください。

まとめ

今回の『科学的な適職』の解説は以上です。内容が気になった方はリンクを載せておきますので、ポチッと確認してみてください。

では、また次回!

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